出典元 特定非営利活動法人日本NPOセンター NPOに関するQ&A:NPOの基礎知識

※このページの情報は平成3021日現在のものです。法改正などで内容が変更される場合もありますので、最新の詳細は特定非営利活動法人日本NPOセンターの公式Webサイトにて御確認下さい。

Q1-01 NPOってなに?

‘NPO’は、‘Nonprofit Organization’の略で、直訳すると「非営利組織」となりますが、意味を正確に伝えるためには、「民間非営利組織」と訳すのがよいでしょう。

「民間」とは「政府の支配に属さないこと」

「非営利」とは、利益を上げてはいけないという意味ではなく、「利益があがっても構成員に分配しないで、団体の活動目的を達成するための費用に充てること」

「組織」とは、「社会に対して責任ある体制で継続的に存在する人の集まり」

と説明できます。

利益を得て配当することを目的とする組織である企業に対し、NPOは社会的な使命を達成することを目的にした組織であるといえます。なお、日本NPOセンターでは、その支援の対象とするNPOを「医療・福祉・環境・文化・芸術・スポーツ・まちづくり・国際協力・交流・人権・平和など、あらゆる分野の市民活動団体等の民間非営利組織で、民間の立場で活動するものであれば、法人格の有無や種類を問わない」と定めています。

Q1-02 NGOとはちがうの?

基本的にはNPOと同様の意味を持つものといえますが、‘NGO’は、 ‘Non-governmental Organization’の略で、「非政府組織」となります。国連での会議の正式な参加国以外のものを指す言葉として用いられ始めたことからも、国境を越えて活動する団体によく用いられます。日本では、特に国際協力や環境の分野の団体ではNPOよりNGOのほうがよく用いられています。
営利を目的としないという点を重視したのがNPO、政府とは異なる民間の立場を重視したのがNGOといえるでしょう。

Q1-03 NPOの社会的な役割とは?

ある社会的なサービスを提供するには、政府・自治体などが行おうとすれば広く多くの人の了解が必要です。また、企業は利益が上がる見込みのないサービスを提供することは考えにくいものです。NPOとは、こうした政府・自治体や企業では扱いにくいニーズに対応する活動を自発的に行う組織です。一方、制度の改革に取り組むなど、社会的な問題を解決するために活動する団体もあります。こうした活動も、NPOの重要な社会的な役割として欠かせないものです。

Q1-04 NPOの範囲は?

特定非営利活動促進法がNPO法と略称で呼ばれているため、NPOはNPO法人格を取得した団体(特定非営利活動法人、通称NPO法人)のことと思われることが多いようです。しかし一般にNPOという場合は、こうした狭い意味ではなく、法人格の有無や法人格の種類(NPO法人、公益法人、一般法人、社会福祉法人、協同組合など。時には実態としては非営利の活動を行う営利法人も含む)を問わず、民間の立場で、社会的なサービスを提供したり、社会問題を解決するために活動する団体を指します。NPOのうち、特に市民によって支えられているものを「市民活動団体」ということもあります。また、組織に関わる人のほとんどがボランティアで構成されている団体を「ボランティア団体」ということもあります。

Q1-05 NPOとボランティアは同じもの?

ボランティアは個人の思いを、NPOは組織の社会的な役割を意識した言葉です。ボランティア活動は、よりよい社会づくりのために、個人が自ら進んで行う、金銭的な見返りを求めない活動ということができます。労働の対価を求めない代わりに、活動に関わる個人の自発性に重点が置かれます。個人単独で行うこともありますが、グループで行うもの、あるいはNPOや行政に関わって行うものなどがあります。「ボランティア」が個人のスタンスを表すことばであるのに対し、「NPO」は組織のスタンスを示すことばであるといえます。社会的使命の達成のために活動をする組織であり、政府や企業とは異なった立場から社会的なサービスを提供し、社会的な課題の解決をめざすものです。

Q1-06 NPOとボランティアの関係は?

NPOとボランティアの関係は、組織と個人という観点から、企業とそこに勤める従業員の関係に近いといえるかもしれませんが、NPOにはボランティアという無報酬で関わる人がいる点で、企業とは大きく異なっています。NPOにとっては、組織の運営にボランティアとして関わる理事や監事などの役員も欠かせない存在です。NPOには、ボランティアだけで活動しているものもあれば、日常的には全くボランティアのいないものもあります。

Q1-07 NPOの数はどのくらいあるの?

NPOの数や活動の実態は、なかなか把握できないのが現状です。その理由としては、NPOという言葉の示す範囲が、人によって異なるからです。活動分野、法人種別、団体の財政規模など、NPOを示す指標はさまざまにあります。また、多くのNPOは法人格を持たない任意団体として活動しているケースが多いのが現状です。一般法人(非営利型)、公益法人、社会福祉法人も民間団体という意識をもって活動していればNPOと考えることもできますし、どこまでをNPOというかは判断が難しいところです。2008年11月の内閣府の調査では、市民活動団体(NPO法人と任意団体)は全国に7万団体あると発表されています。NPO法人の数は、2017年1月末で51,499 あります。(内閣府のホームページでは、各所轄庁に認証されたNPO法人数や認証申請数を公開しています。https://www.npo-homepage.go.jp/)公益法人(社団法人と財団法人)は合わせて約9400団体あります(公益法人協会 非営利法人データベースシステム http://www.nopodas.com/)。また、一般社団法人42,700団体、一般財団法人が約6800団体あります(法人番号公表サイトより。営利型・非営利型を合わせて)。ただし、これらの数字はあくまでもNPOの一部の数を示すもので、すべてのNPOの数を示すものではありません。

Q1-08 NPOはどんな活動をしているの?

地域の高齢者のために食事をつくって届ける、里山を守り育てその活用を図る、町並みを保存する、地雷除去・撤廃に取り組む、子どもの虐待を防ぐなど、NPOの活動はさまざまにあります。活動の範囲は、特定の地域に限定したものから、全国、海外に及ぶものなど、団体によってさまざまです。NPO法人に限っていえば、特定非営利活動が20分野に限定されていて(詳細は「NPO法」の項目を参照)、その種類を定款に記すことになっているため、全国的な統計がとれるようになりました。日本のNPO活動の実態を知るうえで、指標の一つとなっています。ただし、NPO活動には、特定非営利活動だけでは表現しきれない多様な活動もあります。

Q1-09 NPO法人格はとったほうがいいの?

必ずしもすべての団体に法人格が必要とは限りません。ただし、団体が法人となれば、法的・社会的な位置づけが明確になり、代表者個人でなく団体として契約ができ、委託の主体となることもできて、対外的な信用はつくりやすくなります。その反面、規則に従った届け出や報告の手間と法人としての税務が生じます。規模の小さい団体は、事務量の増加を考慮しながら、団体の目的達成手段としてのメリット・デメリットを整理して検討したほうが良いと思われます。

Q1-10 法人になるメリットは?

法人になるメリットがあるかどうかは、その団体の性格によります。(→QII-03)団体が活動を続けていく中で、事務所を借りる、不動産を所有する、電話を引くなど、契約が必要になることがあります。任意団体ではその代表者などの個人が契約することになりますが、団体が法人格を持っていれば法人として契約できます。たとえば、任意団体の場合、代表者が亡くなったら、団体のために個人名で開設した銀行口座の預金が個人の所有とみなされ、相続税を課せられるようなこともあります。その他にも、団体が契約主体になれないことによって、代表者個人にさまざまな責任がかかることがあります。また、行政や企業などから委託事業を受ける場合に、法人であることが条件となることもあります。法人となることによって、組織体としての社会的な信用が得られるといえるでしょう。非営利の法人格を持たずに海外で活動をしている団体が、国際会議に正式なメンバーとして参加できなかったり、営利法人の形をとっている芸術団体が海外で公演を行う場合に、非営利法人が借りるときよりも高い会場使用料を支払わなければならない、などといった不都合がありました。NPO法ができたことによって、これらの問題は解決できるようになったといえます。今後、NPO法人が活動実績をあげ、情報公開をきちんと行うことなどによって、社会的な評価が上がることが期待されます。しかし、法人格の取得に伴う義務や各種の手続きが負担となる団体は、任意団体のまま自由に活動を続けていくほうがよいこともあります。また、金融機関から事業資金の融資を受けるには、株式会社や有限会社などの営利法人のほうが受けやすいということもあります。まず法人格が必要か否か、必要な場合にはどの法人格を取得することが適切かについて、団体内で十分に話し合うことが大切です。NPO法人格の取得はその選択肢の一つに過ぎないのです。

Q2-01 NPO法ってどんな法律?

正式な名称を特定非営利活動促進法といい、民法34条(社団法人や財団法人などの公益法人を規定)の特別法として1998年3月に成立し、同年12月に施行されました。特定非営利活動を行うことを主たる目的とした団体に、所轄庁の認証によってNPO法人(正式には特定非営利活動法人)という法人格を付与するのが、その主な内容です。2012年4月に改正され、特定非営利活動の分野が17から20に増えるとともに、税制優遇を与える認定NPO法人が大幅に改正されました。また、NPO法人会計基準が取り入れられました。また、2016年6月には認証申請の添付書類の縦覧期間の短縮、貸借対照表の公告の義務などの改正がなされています。

Q2-02 NPO法はなぜできたの?

これまで、営利を目的としない団体が法人格を持つ場合には、民法34条に定められた社団法人や財団法人などの公益法人になるのが一般的でした。しかし公益法人になるには、その活動内容が主務官庁の縦割りによって制限され、また財産などの設立要件が厳しいため、多くの市民活動団体が利用するには相応しくありませんでした。そのため、多くの団体は法人格のない任意団体のままであったり、特に営利を目的としないにもかかわらず株式会社や有限会社になったりしてきました。そこで、営利を目的としないことをはっきりさせ、しかも官庁による制約をできるだけ排除した自由度の高い非営利法人制度の必要性が、1990年頃から市民団体の間で訴えられるようになってきました。このような背景のもと、1995年の阪神・淡路大震災の後、国会議員や市民団体が協力して立法活動が具体化し、最終的には全会一致でNPO法が実現したのです。NPO法のもともとの名称は市民活動促進法といい、実際にこの名称で一度は衆議院を通過したのですが、参議院での議論の中で現在の特定非営利活動促進法という名称に変わりました。しかし法自体は、市民活動団体が活用することを想定した内容になっています。その後、1998年に公益法人制度も改革が行われ現在の制度になりました。

Q2-03 どんな団体にも法人格が必要なの?

法人格は、団体が組織として不動産などの資産を保有したり、行政や企業などの法人と契約をするときに必要になるものです。法人格のない任意団体のままでも、資産を保有し契約を結ぶことは可能ですが、その場合は代表者個人の名で行うことになりますから、代表者に大きな負担がかかったり、代表者が交代するときに不便が生じたりします。ですから、そのような団体は法人格を持つほうがよいでしょう。しかし、現在も将来もそのようなことを必要としない団体には、法人格は必要ありません。法人格のメリットやデメリットについてよく聞かれますが、それは個々の団体の性格によって異なります。常勤者のいない小さな団体では、法人化に伴う事務が大きな負担になってデメリットと考えられることも、多額の金銭を扱う大きな団体の場合は、そのような事務を行うことによって事務処理能力や経営能力が身につき、社会的な信用も得られるというメリットにつながります。なお法人化する場合も、NPO法人だけに限らず、いろいろな法人格の選択肢が考えられます。非営利ということにこだわらなければ株式会社のような形もあります。一般社団・財団法人、社会福祉法人、学校法人、医療法人、生活協同組合なども含めて、それぞれの団体の特徴を考えながら、その団体にとって最もふさわしい法人格を検討するとよいでしょう。

Q2-04 NPO法人を設立するにはどうすればいいの?

NPO法人を設立するためには、一定の書類を揃えて所轄庁に申請する必要があります。所轄庁は、その団体の活動分野や活動地域とは関係なく、団体の事務所の所在地によって決まります。事務所が1つの都道府県、もしくは政令市にあればその都道府県の知事もしくは政令市の首長が、二つ以上の都道府県もしくは政令市にあれば主たる事務所のある都道府県の知事もしくは政令市の首長が所轄庁になります。所轄庁としての都道府県の業務は自治事務(法成立時は団体委任事務)となっており、各都道府県もしくは政令市の条例によってその手続きを定めることになっています。NPO法人を設立する場合には、まず各都道府県や政令市のNPO法人認証担当窓口に問い合わせ、法人設立のためのガイドブックや手引書を入手しましょう。所轄庁では事前相談も受け付けていますので、それを活用するのもよいでしょう。なお、民間からもさまざまなハンドブックや解説書がでていますので、それらを参考にすることもお勧めします。NPO法人の設立手順が理解でき、実際に設立することになったら、設立総会を開催します。この総会で、具体的な法人の内容を決定し、設立時の役員を決め、定款などの設立申請に必要な書類の承認を得ます。申請に必要な書類を揃えて所轄庁に提出すると、所轄庁は提出された書類を受理した日から2ヶ月間一般の縦覧に付します。並行して認証要件を満たしているかどうか審査し、縦覧が終わった後2ヶ月以内に認証または不認証の決定をし、文書で申請者に知らせます。なお、設立にあたっては、資本金や基本財産などの当初資金は必要としません。

Q2-05 NPO法人になるための条件は?

NPO法人になれる団体は、Q2-06の特定非営利活動を行うことを主たる目的とし、次の要件を満たすことが必要です。

1.営利を目的としないこと(利益があがってもそれを構成員で分配せず、また解散時にはその財産を国等に寄付する)

2.社員(総会で議決権を持つ正会員のこと)の資格の得喪(入会したり退会すること)に関して、不当な条件を付さないこと

3.10人以上の社員がいること

4.役員として3人以上の理事と1人以上の監事がいること

5.役員のうち報酬を受ける者の数が、役員総数の3分の1以下であること

6.宗教活動や政治活動を主たる目的にしないこと

7.特定の公職者(候補者を含む)又は政党を推薦、支持、反対することを目的としないこと

8.暴力団でないこと、暴力団又は暴力団員の統制の下にある団体でないこと

Q2-06 特定非営利活動ってなに?

特定非営利活動とは、次の20分野の活動で不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とするものを言います。

1.保健・医療又は福祉の増進を図る活動

2.社会教育の推進を図る活動

3.まちづくりの推進を図る活動

4.観光の振興を図る活動

5.農村漁村または中山間地域の振興を図る活動

6.学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動

7.環境の保全を図る活動

8.災害救援活動

9.地域安全活動

10.人権の擁護又は平和の推進を図る活動

11.国際協力の活動

12.男女共同参画社会の形成の促進を図る活動

13.子どもの健全育成を図る活動

14.情報化社会の発展を図る活動

15.科学技術の振興を図る活動

16.経済活動の活性化を図る活動

17.職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動

18.消費者の保護を図る活動

19.前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動

20.前各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動

Q2-07 NPO法人は特定非営利活動以外はやってはいけないの?

NPO法人は、特定非営利活動を行うことを主たる目的としなければいけませんが、定款の定めによって「その他の事業」を行うこともできます。その場合には、会計を特定非営利活動の事業と区分しなければなりません。「その他の事業」には、収益を目的とした事業を含むこともできます。しかし「その他の事業」は、その団体のミッション(社会的使命)の実現にとって必要不可欠なものに限って行うのがよいと思います。

Q2-08 NPO法人の設立後にしなければならないことは?

所轄庁から認証がおりれば、2週間以内に主たる事務所の所在地で登記をしなければなりません。従たる事務所がある場合には、さらにその後2週間以内に、それぞれの事務所の所在地で登記をします。登記事項や登記に必要な書類等については、管轄の法務局にお問い合わせください。従業員を雇う場合には、一般企業と同様、就業関係の手続きを行うとともに、労災保険は労働基準監督署で、雇用保険は公共職業安定所で、健康保険や厚生年金保険は社会保険事務所で、それぞれの届出をする必要があります。税法上の収益事業を行う場合には、管轄の税務署にその届けをし、その所得に対して、法人税を納めなければなりません。また収益事業の有無にかかわらず、都道府県や市町村には法人住民税(均等割り)を納めることになっています。しかし多くの自治体には、収益事業を行わないなどの一定の条件のもとにこれを免除する規定がありますので、よく確認してください。NPO法人は、設立後毎年、事業報告書や活動計算書などを所轄庁に提出して情報公開をしなければなりません。

Q2-09 NPO法人の情報公開は必要なの?

NPO法は、法人制度で初めて情報公開を規定した点でも画期的でした。これまでの法人制度では、役所が事業計画・事業報告や予算・決算を監督するという建前から、情報公開については規定していませんでした。しかしNPO法人については、役所の監督よりも市民の監視を重視するという観点から、情報公開について詳しい規定を設けています。情報公開としては、二つの方法が義務付けられています。一つは、毎年年度終了後3ヶ月以内に、Q2-10 に示す書類を所轄庁に提出し、所轄庁はこれを一般の閲覧に供するというものです。二つ目の情報公開の方法は、所轄庁に提出した書類の写しを各NPO法人の事務所に備えおき、利害関係者から請求があれば閲覧に供するというものです。法律的にはこのような情報公開が義務づけられていますが、一般にはなかなか利用しにくいのが現状です。そのため、より多くの人がより簡便に利用できる情報公開の方法が必要と考え、日本NPOセンターはこのウェブサイト「NPOヒロバ」を開設することにしたのです。このサイトに寄せられるNPO法人の情報公開は、必ずしも未だ十分なものとは言えませんが、今後さらに多くのNPO法人が詳しい情報を提供することによって、より充実した情報公開が進展することと思います。◎NPOヒロバ http://npo-hiroba.or.jp/

Q2-10 情報公開しなければならない書類は?

Q2-09で説明した情報公開が義務付けられている書類は、次のとおりです。

事業報告書

財産目録

貸借対照表

活動計算書

役員名簿(前事業年度において役員であったことがある者全員の住所、氏名、報酬の有無を記載したもの)

社員名簿(前事業年度において社員であった者で10人以上の者の住所又は居所を記載したもの)

定款等

上記の他に、記載事項の変更があった場合には定款、認証、登記書類(いずれも写し)が必要となります。これらの書類も所轄庁で一般に閲覧されます。

Q2-11 NPO法人も税金を納めるの?

法人になると、一定の納税の義務が課せられます。ここでは一部のみ簡単に説明しますので、詳細は専門家にご相談ください。国税である法人税については、原則非課税となっていますが、法人税法に規定された収益事業を行う場合には、その収益事業からの所得に対して、企業と同じ税率で法人税を納めなければなりません。地方税については、この収益事業からの所得に対して課税される他、収益事業の有無や所得の有無にかかわらず住民税の均等割り(都道府県と市町村を合わせて 7万円/年)が課せられます。しかし多くの自治体では、法人税法上の収益事業を行わないなどの一定の条件のもとに、これを免除する規定を定めています。税制上の手続きは、国税なら税務署に、地方税なら都道府県税事務所に必要書類を提出して行います。

Q2-12 法人税法上の収益事業ってなに?

法人税法施行令第5条に定められた下記の34業種の事業で、継続して事業場を設けて営まれるものをいいます。物品販売業、不動産販売業、金銭貸付業、物品貸付業、不動産貸付業、製造業、通信業、運送業、倉庫業、請負業、印刷業、出版業、写真業、貸席業、旅館業、料理店業その他の飲食店業、周旋業、代理業、仲立業、問屋業、鉱業、土石採取業、浴場業、理容業、美容業、興行業、遊戯所業、遊覧所業、医療保健業、技芸教授業、駐車場業、信用保証業、無体財産の提供業、労働者派遣業これらの事業をNPO法人が行う場合には、たとえそれがNPO法における本来事業であっても、法人税の課税対象になります。自治体からの委託事業は請負業に、介護保険事業は医療保健業に該当します。NPO法人の行う事業は、ほとんどこの34 業種に含まれるようですが、一時的に行う事業は該当しません。なお、税務署により課税対象事業に関しての判断が異なることがあります。確認されたい方は、各地域の税務署にお問い合わせください。

Q2-13 NPO法人に寄付をすると税が優遇されるの?

個人や企業がNPO法人に寄付をしても、税制上の優遇措置はありません。しかし認定NPO法人(認定特定非営利活動法人)となった団体に寄付をすると、次のような税優遇があります(Q2-14参照。詳しい算定式などについては、内閣府のNPOホームページを参照)。

(1)個人が寄付した場合、一定限度内で寄付金額に応じた所得控除もしくは税額控除が得られる。

(2)企業が寄付した場合、一定限度内で寄付金額に応じた損金算入(経費処理)が認められる。

(3)個人が相続財産を寄付した場合、その寄付分が課税対象外になる。

(4)当該認定NPO法人がその収益事業所得を非収益事業に充てた場合(みなし寄付という)、一定限度内でその金額に応じた損金算入が認められる。

Q2-14 認定NPO法人になるための条件は?

「認定NPO法人」になるには、以下の要件を満たすことが必要です。

1. パブリック・サポートテストをクリアすること
2. 共益的な活動が50%未満であること
3. 運営組織及び経理が適正であること
4. 事業活動が適正であること
5. 事業報告書等が公開されていること
6. 毎年の所轄庁への書類提出がなされていること
7. 法令違反、公益に反する事実等がないこと
8. 所轄庁から法令に違反していない旨の証明書を交付されること
9. 設立日以降1年を超え、2事業年度の実績があること

パブリック・サポートテストには3種類あります。

A: 相対値基準
実績判定期間内における総収入に占める寄付の割合が5分の1以上であること
B:絶対値基準
実績判定期間内の各事業年度中の寄付金の総額が3,000円以上である寄付者の数の合計数が年平均100人以上であること
C:条例個別指定基準
都道府県または市区町村が、個人住民税の寄付金税額控除の対象として条例により個別に指定した特定非営利活動法人であること

※実績判定期間は、初回の認定申請の際は2年、2回目以降の申請の場合は5年

なお、設立5年以内のNPO法人は、「仮認定制度」も活用できます。この制度は、パブリック・サポートテストをクリアしていなくても、他の要件を満たしていれば仮認定を与えられるというもので1回に限り適用されます。有効期間は仮認定の日から3年となります。

制度の詳細については各所轄庁にお問い合わせください。
 

Q2-15 NPO法人とその他の法人との税制上のちがいは?

NPO法人や認定NPO法人の税制上の措置を、一般法人・公益法人、あるいはその他の非営利の法人と比較すると、下図のようになります。
NPO法人は任意団体や非営利型一般法人と同じ収益事業課税の扱いとなり、認定NPO法人は寄付金控除が得られるということで新しい公益法人や従来の特定公益増進法人(社会福祉法人・学校法人も含む)と同じ扱いになりますが、軽減税率や利子非課税が適用されない点で、優遇の度合いが低くなっています。

Booklet31

*1 収益事業課税:法人税法上の34業種の収益事業のみに課税(寄附金や助成金には課税しない)。適用なしは全所得課税(原則課税)=すべての所得に課税(寄附金や助成金にも課税)
*2 軽減税率:所得の22%を課税
適用なしは普通税率=所得の30%(ただし800万円以下の部分は22%)
*3 みなし寄付:収益事業所得から公益目的事業に支出した額を寄付=損金とみなして課税所得から控除する仕組み。損金算入できる額は従来の公益法人では全所得の25%、特定公益増進法人では50%であったが、新しい公益法人では50%または公益目的支出額の全額になる。
*4 利子等非課税:利子等に係わる源泉所得税(利子等の20%)を非課税
*5 寄付金控除:適用法人に寄付を行った場合、個人では所得金額の50%までを課税所得控除、認定NPO法人、要件を満たした公益法人・社会福祉法人・学校法人では最大50%までを税額控除できる。企業等の法人では一般寄付枠とは別に特別損金算入限度額までを経費扱いで損金算入できる。
*6 非営利型一般法人:一般法人のうち、1.余剰金の分配を行わない旨が定款において定められている、2.会員に共通する利益を図る活動を行うことを主たる目的としている、等の要件に該当するものに対する税制上の通称。
*7 特例民法法人:新制度に移行前の社団法人及び財団法人で、以前の課税措置が継続される。
(2013年11月末で旧公益法人の新制度への移行期間は満了。)

出典元 特定非営利活動法人日本NPOセンター NPOに関するQ&A:NPOの基礎知識

※このページの情報は平成3021日現在のものです。法改正などで内容が変更される場合もありますので、最新の詳細は特定非営利活動法人日本NPOセンターの公式Webサイトにて御確認下さい

なお、本情報は日本NPOセンターの発行するブックレット「知っておきたいNPOのこと1【基本編】」でもお読みになれます。冊子名の部分のリンクは以下をお使いください。

http://www.jnpoc.ne.jp/?p=13456

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